• 1710月

    Panasonicからマイクロフォーサーズ機「DMC-GM」が11月発売予定だそうで。

    GFシリーズの路線のようにも思えますが、あえて違う型番を振ってきたのはなんといっても世界最小サイズの自信作だからでしょう。
    今まで「◯◯の△△としては」という条件付きを乱発してましたけど、今回は「レンズ交換式デジタルカメラのボディとして」で自信を持って世界最小と言えるというわけです。
    この競争も画素数と同じく、ある程度以上は不毛ではあるんでしょうけど、Nikon 1やPENTAX Q7などよりも小さいというのはかなり頑張ったなと素直に思います。
    重さもバッテリー込みで約204gですから、ある意味、レンズ交換式コンデジですね。

    サイズが小さいだけに当然ながらEVFは未搭載ですが、ストロボはちゃんと搭載してありますし、GF5までとは違ってちゃんと用意されていて、優等生な仕上がりにまとめてあります。
    また、シャッターがこれまでのGシリーズとはちょっと変わってるようで、「電子制御式単幕フォーカルプレーンシャッター/電子式シャッター」との記載(これまでは単純にフォーカルプレーンシャッター)になっています。
    昔のNikon D70みたいに遮光幕としての機械式シャッターになってるんでしょうね。
    別にそれが悪いことだけではなく、1/16000秒の高速シャッターが実現されているというメリットもあります。

    デザインは各社のプレミアム系コンデジなどと同様、やはり少しオールドスタイルなデザインに振ってあります。
    なんだかんだ言っても買ってくれる年齢層が高くなってしまうというところがあるのでしょうね。
    シルバーを基調にしたオレンジ、ホワイト、シルバー、そしてシックなブラックの4色がありますが、個人的にはブラックとホワイトが良さそうです。

    ここまでわりと良い印象ですけど、気になるのはなかなか進化のペースが遅い印象のLive MOSの出来でしょうか。
    1600万画素は普段遣いには十分なんですけど、素子の粗を画像処理で潰し過ぎる傾向がこのところ続いていて、どうも素直な絵になりづらい印象が減ってると良いのですけど…。
    公式サイトのサンプルを見た感じだと粒状性をうまく活かした絵作りに変わってるような気もするので、一度ちゃんと試してみたいモデルです。

    ところで、コンデジですら大型素子を搭載したモデルが出てくる中で、マイクロフォーサーズはどうなの?というところも気になるところです。
    一体型のコンデジはとりあえず現時点で良さげな素子を投入すればそれで良いわけでしょうけど、レンズ交換式システムとしては将来も踏まえて最適な撮像素子サイズを見定める必要がありますから、メーカーもユーザーも簡単に切り替え、乗換えできないですからね。

    他にもたくさんファクターがあるかとは思いますが、素子サイズに絡む主な要素としては下のような感じでしょうか。

    ・画素数
    ・高感度ノイズ
    ・レンズ性能
    ・レンズサイズ
    ・本体サイズ
    ・コスト

    画素数はまだ高画素化の波が静まったとは言えませんけど、出力としてのニーズやレンズ性能との兼ね合いなどからして、少なくとも1億画素が一般的なんてことにはならないかと。
    高感度ノイズもISO51200対応なども出てきていますが、ここも高画素化が落ち着いてくれば実用上困らないレベルになることでしょう。
    そうなると将来的にはむしろレンズやコスト側の問題が大きくなってくると推測できるわけで、その点ではマイクロフォーサーズ辺りのサイズは意外にも寿命の長いシステムになるのかも。
    コンデジの大型素子で差別化が…という声もあるでしょうが、それこそフィルム時代は写ルンですですら35mmフルサイズだったわけですし。

    ただ、一方でそんな妥協を許さないニーズもあるはずで、それが35mmフルサイズ、場合によってはさらに大きな素子へと向かっていくのでしょう。
    レンズ交換式と単純に言ってもこんな具合で、二極化していくのではないか?なんて予想しますが、さてどうでしょうか?
    この読みが外れていないのであれば、ソニー・オリンパス連合のマイクロフォーサーズと35mmフルサイズはなるほど、と思える戦略であるような気もしました。

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    2013/10/17 7:00 pm | Panasonic DMC-GM はコメントを受け付けていません
  • 1710月

    SONYが「誰も作らなかったカメラ。」とティザー広告を打っていたモデル「α7」と「α7R」が発表されました。

    私はてっきりOLYMPUSのMDNみたいに合体メカかと想像していたんですけど、むしろ同じオリンパスのE-M1のようなオーソドックスな一眼風ミラーレスでした。
    じゃあどこが「誰も作らなかった」なのかというと『フルサイズとして世界最小・最軽量』ということのようです。
    何を持ってフルサイズなのかというのはさんざん色んなところで議論されていますからここで蒸し返さないとして、大きさを別にすればライカMがすでにありますし、そのうち各社から出るたぐいのものかな、というのが正直な感想ですね。

    それはともかく、元々、Eマウントはギリギリで35mmフルサイズが物理的に収まると言われ、ビデオカメラで先行して出ていましたが、スチルでもほんとに出してきましたね。
    撮像素子上のギャップレスオンチップレンズ構造(7Rのみ)、回折低減などの技術革新のおかげで画質面での目処も立ったのでしょう。
    これからレンズを揃えていく形になりますが、最初からZeiss銘の標準ズーム、そして単焦点の35mmと55mm、そしてSONY FEを名乗る望遠ズームを用意したのはかなり頑張ったんだろうなと。
    本体の大きさに比べればやっぱりそれなりに大きい形になりますが、そればかりはどうしようもないところですね。

    ラインナップとして足りない部分はマウントアダプタ経由でα-A用レンズで補う形となるようです。
    また、APS-C専用のEマウントレンズも装着すると自動的にクロップされますし、EVFだから周囲が欠けるようなこともないので使い勝手で困ることはないでしょう。
    そんなマウントアダプタも以前のはAPS-C用だったので、今回、フルサイズ対応のが2つ新発売になるとのこと。
    これまでのようにトランスルーセントミラー・テクノロジーを搭載した「LA-EA4」と非対応の「LA-EA3」がそれで、α7の場合は像面位相差もあることですし、安い後者で良いのかと。
    ただ、同時発表のα7Rのほうはローパスを外して像面位相差も取っ払った分、3640万画素にした「高画素番長」ですから、このケースではLA-EA4が良さそうですね。

    今回の命名やαシリーズのターニングポイントで使われてきた「7」を型番に振ってきたところからして、おそらくα-Aは終焉に向かうということでしょう。
    現時点では明確に辞めますよという告知はないんですが、Aマウント、Eマウントとも、αを統一ブランドにするそうですし、そもそもα-Aの最近のモデルはトランスルーセント機ばかりでしたから、像面位相差が入ってくればミラーレスで良かったわけですからねぇ。

    ただ、その半面でそれならNEXの上位モデルで良かったのでは?という思いが、私を含む従来のαユーザーさんにはあるんではないかな。
    NEXはNEXで愛用していますし、α-AもNikon Fとともにメインを張ってる私には、普通にフルサイズNEXと言われたほうが受け入れやすかったかも。
    この辺りも最初に挙げたOLYMPUSに近い考え方で、フォーサーズ機の打ち切りとどうしてもイメージが重なるものがあるんですよね。
    まぁ逆に言うと、個人的には少し前にα37を押さえに導入してありますし、次期メイン機はこれですっきりNikonに統一できるな、というのも正直な今の感想といったところです。

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    2013/10/17 12:00 pm | 2 Comments
  • 1210月

    ソニーから音を大胆に重視したビデオカメラ「HDR-MV1」が国内発表されました。
    私はやっぱり音の部分が気になるので、そこに重きを置いて取り上げてみようかと。

    見るからに「良い音で録りますよ」というマイクが印象的なデザインですが、「ライブの空気感まで、リアルに収録」というキャッチフレーズが付いています。
    一瞬、製品写真用で実際に録音する時は倒して使うのかと思ったんですが、「120°X-Yステレオ方式マイク」になっていて、立てた状態で音場感のある録音が可能になってるんですね。
    もちろん、これが得意な音源とそうでないものもありそうですけど、少なくとも通常のビデオカメラに比べたら格段に良いはずです。

    ただ、ちょっと気になるのは最近、ソニーが大きく展開しているハイレゾへの対応がないところでしょうか。
    開発時期がズレているから仕方ない面もあるのでしょうが、16bit/48kHzのみというのは少しさびしい気もします。
    データ量の問題もありますからセールストークを無視すればハイレゾである必要は必ずしもないのでしょうけれど、16bitだと音割れorビット落ちしやすいというのもありますし、24bit対応だけでもしていたらなぁ。
    また、ミュージシャンへのアピールという点でも、CD制作のベースになるように44.1kHzにも対応してくれてると良い気がしますが、これはSCMSの名残りでしょうか。
    音声のみモードの場合はWAVでの記録のようですから、パソコンの波形エディタなどで編集しちゃえば操作性の点ではそれほど大きな問題ではないでしょうけど、近い周波数でのリサンプリングは音質劣化にもなりますし…。

    なお、動画の場合にも音声はリニアPCMでも記録可能で、この場合はMPEG-4動画に埋め込まれる形になるようです。
    動画だとフル充電でリニアPCM音声の連続撮影で2時間10分とちょっと心許ない感じもありますが、音声だけなら18時間35分ですし、サイズのわりにはかなりスタミナのあるほうでしょう。
    大きな液晶画面は動画を撮らない場合でもレベルメーターや操作性の点で非常に役立ちそうな気がしますし、本番だけを動画で撮ればメモリカードの節約にもなるでしょうしね。

    価格もリニアPCMレコーダー並みの2万円台となかなか意欲的で良いチャレンジだと感じる一方、これが「One Sony」としての提案として最終形ではないのでは?という印象も残ります。
    ただ、どんなジャンルでも新たな分野を切り開く製品は、いきなり完成形が出てくるわけではないですし、まずは想定されているようなミュージシャンへのニーズから開拓して伸びていってほしいなと思います。

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    2013/10/12 12:00 pm | SONY HDR-MV1 はコメントを受け付けていません
  • 1010月

    パーツを組み立てて作るデジタルカメラキット「Bigshot」というのが今月下旬に発売予定だそうで。

    いわゆるトイデジ系のモデルなんですが、写りのほうだけでなく、カメラの仕組みが分かるような部分に注力してるのが良い感じなので紹介してみようかと。
    キットといってもカメラの本体部分はすでに組み上がっていて、工具も付属のスクリュードライバが少しだけ必要なくらいで、8歳以上なら組み立てられるとなっています。
    ただ、背面が透明だったり、レンズ(実際にはコンバージョンレンズ)が外付けで回転したりと、学びの要素も盛り込んでるのが良いですね。
    最近の電気製品は進化しすぎてるから仕方ない部分もあるのですが、中身がすっかりブラックボックスになっていて、中身が気になるところに辿りつけないんですよねぇ。
    他にも安全性などの理由があるのでしょうけど、メーカー側にも「モノづくり」の種を育てるための種蒔きが必要なのかも。

    そんなオヤジ臭い話は置いておいて、トイデジとして見てもレンズホイールが面白いですね。
    ノーマル・パノラマ・ステレオ3Dが切り替えられるわけですが、普通のデジカメのように中央にレンズがあるのではなく、本体下部に位置していて、ホイールで回せるアイデアがGoodです。
    上部はこれに連動してファインダー枠切り替えされるようになってるのもさすがの工夫です。
    他にも充電池をUSB充電する以外に手回し発電機できたりと、非常時の撮影機材にも役立つかも。

    スペックを見ればメモリーが内蔵のみ(約120枚保存可能)だったり、画素数が300万画素だったりしますけど、お子さんといっしょに組み立ててみるのも良いかもしれません。

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    2013/10/10 12:00 pm | Bigshot はコメントを受け付けていません
  • 0910月

    Nikonからフルサイズデジタル一眼レフカメラ「D610」が10月発売だそうで。

    見るからに「Nikon D600」の後継モデルなんですが、画素数(2466万画素)や重量などもほとんど変わらず、ニコンにしてはわりと珍しい(?)マイナーモデルチェンジのようです。
    違いはアルゴリズム見直しによるコマ速アップ(5.5コマ/秒→6コマ/秒)、静音連写(Qc)モードの追加、それにAWB精度の向上だとか。
    コマ速アップはそれなりにハードウェアの改良もあるのかもしれませんが、できればQcやAWBくらいはファームウェアでの対応でも良かったのではないかなぁ。
    Qcに関してはモードダイヤルにも追加されてますから、メニュー画面からの設定になるでしょうけど。

    これを書いている時点ではまだ店舗での販売が始まってませんが、ボディ単体で20万円前後を予定してるとのこと。
    D600はすでに14万円台に突入してるようですし、中古もかなり出回ってることを考えるとD610を選ぶ決め手に欠けるような気がするのは、きっと私が中古狙いばかりしてるせいですよね。
    それに最近はすっかりカメラ熱が冷めてしまってるのもそういう「思い込み」に拍車をかけているのかも。
    フルサイズ機でも投入すれば、少し撮る意欲が戻ってくるかなぁとも思うのですけどね。

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    2013/10/09 12:00 pm | Nikon D610 はコメントを受け付けていません
  • 0810月

    PENTAXからAPS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラ「K-3」が11月発売予定とのこと。

    「PENTAX K-5 II」シリーズの後継にあたるようですが、今回、ローパスレスにして統一モデルになるようです。
    というのも今回の目玉機能であろう「ローパスセレクター」が搭載されたのが大きいのでしょう。
    これは手ぶれ補正機構を利用して撮影時にサブピクセル単位で撮像素子を微小振動させることで光学的なローパスフィルターと同等のことを実現しちゃうというものです。
    アイデア自体はおそらく誰でも考えつくレベルですけど、それを手ぶれ補正と両立させて実現するのはスゴイですよね。
    さらに光学式のローパスフィルターとは違い、振動の程度を調整することでローパスフィルターの効き具合をOFF/弱/強の3つから選べるという副産物的な効果もあります。

    これだけ聞くと良いことばかりですが、実際には多少は欠点もあって、振動させる速度に限界があることもあって、高速シャッターでは効果が弱くなってしまうようです。
    メーカーからは1/1000秒以下で効果が発揮できるとしていますが、モアレが出やすいほどシャープな絵を切り取るシーンではおそらくレンズもだいぶ絞り込んであるでしょうし、1/1000秒までOKならほとんどの場面では大丈夫でしょう。

    これ以外にも一眼レフブランドとしての部分もしっかり強化されていて、光学ファインダーも視野率約100%を保持しつつ、倍率を0.92倍から0.95倍に向上させていますし、ミラーバウンド抑制や防塵・防滴、-10℃耐寒動作保証など、光学機器としての技術をしっかり投入しているのは好感の持てるところです。
    唯一、K-5 IIからの劣化部分というと、撮影可能枚数が980枚から720枚に減っているところくらいでしょうか。
    私の推測では「ローパスセレクター」採用による部分が大きいのかなぁという気もしますが、同時発表された限定モデルの「K-3 Premium Silver Edition」のほうならバッテリーグリップと共にバッテリーももう一本余計に付いてきますから、気にある方は最初からこちらを狙うのも良いかもしれません。

    私のPENTAXデジタル一眼レフ経験はist DSで止まってしまってますが、最近のモデルを見るとまた使ってみたいなぁという気もしてきます。
    問題点はPENTAXのAFレンズをほとんど持ってないというところですけど、MFレンズでもちゃんと使えるのもペンタックスの良さですし、M42やKマウントのオールドレンズで遊びつつ使うのも面白いかもしれませんね。

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    2013/10/08 7:00 pm | PENTAX K-3 はコメントを受け付けていません