Twitterで腕時計の日差が話題になっていたので、久しぶりにちょっと腕時計を弄ってみました。
以前使っていた歩度調整用アプリのWindowsの「びぶ朗」やiPhoneの「Hairspring」はもう配布されてなかったので、Androidアプリの「Watch Accuracy Meter」を入れてみました。
Pixel 4aの本体マイクにリューズを当てて水平状態でまず測ってみたのが上の結果です。
ちゃんとビート数は自動検出されて日差や片振りまで測れています。
日差はかなり良い状態が保持できてますが、片振りは少し多め(0.0〜0.2くらいが基準)ですね。
測定結果は残すこともできて、「Save Trace」もオンにすれば計測時のトレース画像部分も記録されます。
どうせなら歩度調整もしちゃおうかと思ったのですが、あいにく昔使っていたオープナーがなくて蓋が開けられず、ORISとDugenaはそのままです。
その辺に転がってたSEIKO5はスクリュー式の蓋ですから開けられて、こっちで試すことにしました。
歩度調整は緩急針を微妙に動かすもので、慣れれば一応できますけれど、大切な腕時計を壊してしまう可能性が非常に高いのでお勧めできるものではありません。
そもそも遅れが生じるのは部品の摩耗やごく微小な油切れなどで、適切な間隔でのオーバーホールが本来やるべきことだという点は十分ご承知おきください。
SEIKO5はもう見られたほどじゃないくらいの酷いズレ具合です。
ちなみに日差がマイナス(遅れる)に大きく振れている状態はまさにオーバーホールが必要な状態と言われています。
片振りも4.2msというのはかなり大きいですね。
まずは緩急針を弄って歩度調整だけをやってみた結果がこんな感じです。
久しぶりでなかなか微調整に慣れませんでしたが、一応許容誤差くらいにはなりました。
ただ片振りは当然ながら改善していません。
消磁もしましたが、そちらは多少の改善が見られる程度で、やはり磁化よりもメカの整備のほうが重要ということでしょう。
まぁひどく磁化すると時計が止まってしまったり、リザーブ時間が短くなるといった症状が出ることもありますけどね。
話が逸れましたが、こうなったらヒゲ持ちも弄って片振りも改善させてみましょう。
ヒゲ持ちを弄ったら当然緩急針も再調整が必要ですので、なかなか簡単ではありません。
そもそものムーブメントの状態が改善するわけではないですから、微妙にブレが出ていますが、片振りが0.5くらいにはなってくれました。
アプリ側には履歴も残りますし、計測時の姿勢も記録できるので日々のチェックに使うのも良いでしょう。
ただスマホもスピーカーやワイヤレス充電などでかなり強力な磁力を帯びていますので、磁化には要注意ではあります。
そもそも今でも機械式腕時計を使っている方は高級モデルをお使いの方が多いでしょうし、メーカーや購入店でチェックしてもらったほうが安心とは思いますけどね。