Canonからデジタル一眼レフ「EOS 70D」が8月末に発売されるそうで。
型番的には「EOS 60D」の後継なわけですが、APS-C高級機としての方向性を明確にするためか、まだ他の機種に投入していない新しいCMOSセンサーで素子全面位相差を可能にしてきた意欲作です。
本来はさらに上位のEOS 7Dがあるものの、実質的には以前通り2桁シリーズをAPS-Cハイエンドにするつもりなのではないかなという印象ですね。
なお、最近の傾向通り、EOS 60Dも併売されるそうです。
その新しい素子ですが「デュアルピクセルCMOS AF」を実現するもので、細かいところを端折って言うなら各画素に2つの受光部を設けたという形です。
例えが古すぎて誰もわからないと思いますが、NakamichiのNAACみたいな仕掛けですね。
受光部は横に2つ並んでるので縦向きに弱いんじゃないか?とか、受光部間の距離が画素ピッチに依存して小さ過ぎないか?とかは気になりますが、なかなか画期的なアイデアです。
今回はライブビューでのAFに活用されてますけど、それぞれで露光時間を変えたりできればダイナミックレンジ拡張やノイズ除去にも使えそうな気がします。
これを使うと、位相差用画素を持った「EOS Kiss X7」よりもさらに合焦速度が約30%高速になるそうで、もうミラーが要らなくなりそうな勢いです。
とは言っても今回もちゃんと位相差センサーは搭載されていて、画像取得処理などもあってやっぱり位相差センサーのほうが速いんだそうです。
画像処理的な動きとしてはコントラスト検出に似た形になるのもあってか、レンズ側の対応も必要なようで、現状では103本のレンズで本領が発揮されるとのこと。
また本来なら画面のどの位置でもAFができるはずですが、これも画面の中心部80%のエリアに限定されています。
おそらくこれはレンズによっては周辺部で光が斜めに入る点への配慮と、画像処理速度との兼ね合いもあるのでしょうね。
いずれにせよ、久しぶりにキヤノンらしいテクノロジー重視のモデルが登場した印象です。
私の欲しいカメラの方向性とはちょっと違いますけど、この路線はさらに進化を極めてほしいなと素直に感じます。