SIGMAからFOVEON搭載コンパクトの新シリーズ「dp Quattro」が発表されました。
これまでのDPシリーズと比べると、かなり思いきったデザインに変更されていますね。
一見、NEX-5シリーズにも似ている印象がありますが、本体は薄く、グリップはしっかり、という撮るための理想を追求したらこうなった、という感じでしょうか。
幅はMerrillと比べて4cmほど長くなっていて、重さも40gほど重くなっています。
バッテリーがBP-51というものに変更されているようで、Merillはバッテリー寿命が難点でしたからそのための重量増加なら良しとすべきかな。
できればバッテリーが流用できるほうがうれしいでしょうし、省電力化も頑張って欲しいところではありましたが。
外観以上に大きな変更が名前にも入っている「Foveon X3 SENSOR Quattro」の採用です。
三層のうち、最上位層のみ4倍の画素数とし、解像度とSN比の両立を狙った新センサーとのこと。
FOVEON X2は上から青、緑、赤と3層で3色を捉えるわけですが、シリコンを光が透過するという構造上、実際の分光特性はそうキレイに3色分かれてはおらず、最上層はRGBのほぼすべてに反応しているんですよね。
それだけに下層の情報も含めて複雑な画像処理が必要だったと記憶しています。
その影響で赤の色ノイズが多かったりといった欠点も持っていたわけですが、そこを逆手に取り、最上位層で輝度成分の解像度を確保しつつ、色情報はSN良く、という、いわば良いところ取りを目論んだ仕掛けでしょう。
もちろん実際には4画素で色相に大きな差がある場合は偽色抑制、輝度に差がある時は解像度優先とかそんな具合で、これまで以上に複雑な画像処理が必要なはずで、そこはTRUE IIIプロセッサーに頼る形になるかと。
ここもまた他社とはやや違い、汎用に近いDSPだったと思いますが、だからこそ自由度の高い処理が可能なのだと思います。
ただやっぱりバッテリー消費だけは気になるところではありますが。
撮像素子に関しては理論上はそうでも、あとは実際の絵の具合次第ですから、dp2のレンズに注目してみましょう。
6群8枚のレンズ枚数、9枚の絞り羽根や30mm F2.8といったところはDP2 Merrillと同様です。
レンズ構成図やMTF曲線も大きな差はなさそうですが、MTF測定器「A1」によって全数保証が謳われたのはDPシリーズではたぶん初だと思うので、その安心感はあるかも。
#Merrillシリーズでも実際には実施されていた可能性はありますが。
発売時期も価格も未定ですが、ここまで尖ったモデルを出せるのはシグマさんならではでしょう。
フジのX-Trans CMOSもそうですけど、撮像素子の改革に取り組むメーカーさんは個人的に応援したいですね。
ところでだいぶ前にレンズ交換式ミラーレスの噂もありましたが、その後は音沙汰なく、今回Quattroが出てきたということはしばらく一体型コンパクトで行くということでしょうか。
それも含め、CP+が始まるとさらに色々と情報が出てくるのかもしれません。
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