いつも愛用しているイギリスのケーブルブランド「QED」ですが、日本の代理店になったイースタンサウンドファクトリーさんからHDMIケーブルの「QED Profile eFlex HDMI Black 1.5m with Ethernet」をお借りしてみました。
すでにUSBケーブルはQEDになってますが、HDMIケーブルは全く想定してませんでした。
映像のほうは意外と無頓着で、これまではBenQの液晶ディスプレイ「GW2460HM」に付属してきたDVIケーブルをApple純正のDVI-HDMI変換アダプタを経てMac miniにつないでいました。
まずはここをQEDのHDMIケーブルに変更してみます。
第一印象は色がやや淡いものの滲みがない、という感想です。
HDMI-DVI変換はたしか最低限の回路で済んだはずですが、ディスプレイ側も入力ごとに表現の設定が違うのでしょうね。
DVIの際はディスプレイ側の設定で明るさを45(デフォルトは100)、コントラストは40(デフォルトは50)にしていましたが、今回のHDMI接続では明るさを90、コントラストを50に変更してちょうど良い感じです。
太さや端子などは愛用のQED Performance Graphite USBと同様、ごく一般的なサイズで扱いやすいものですが、USBよりはやや高級な作りに感じます。
それでもまだちょっと高級感を演出してあっても良いのかなとも思いますが、あまりにゴツくて逆に機器へ負担がかかるというのでは本末顛倒ですし、これくらいで本来は必要十分なのだと思います。
あとはMac側でカラーキャリブレーションを念のためにやり直してみましたが、この際に違いを体感しました。
これまでよりもキャリブレーションの細かな設定値による微妙な違いを見分けやすい気がするんですよね。
これが素直な特性のおかげか、それともDVI-HDMI変換器がイマイチだったのかは分かりませんが、デジタル音声同様、機材トータルで見た場合には「デジタルだから同じ」とは言えないということでしょう。
この他、官能的評価で言いますと、結構長時間使っているLightroomでのRAW現像時になんとなく目が疲れないだとか、現像していてもやはり微妙な現像パラメータ調整がやりやすい印象を受けます。
特にカラーエッジとなる輪郭が妙に強調された感じがないので扱いやすいです。
ただ、この感覚的なポエムだけではなぁ…と考えて、ディスプレイ表示をデジカメで撮って比較してみることに。
基準となるカラーチャートはPCJさんにあった写真を使わせていただきました。
カメラ側のホワイトバランスは5500Kで固定、露出もマニュアルモードで当然固定し、QEDと何処かのメーカー付属品で試します。
まずはQEDのHDMIの撮影結果を。
[ QED Profile eFlex HDMIでの表示 ]
BenQのGW2460HMも優秀だなと思いますが、滲みもなく発色もキツすぎず濁りもない見やすい質感かと。
個人的には黄色の発色が良いなと感じました。
[ メーカー付属HDMIケーブルでの表示 ]
微妙に角度が違った影響もないとは言えませんが、実際にはどちらも複数枚撮って比較してみたわけですけど、QEDと比べると色がやや濁ってる気もします。
喩えて言えば水彩パレットに置いた色に、他の色が付いた筆が入ったような…。
実際にYellow49のエリアのCMYK値を見てみると、かなり大雑把ですが以下のような色合いになっています。
[ QED Profile eFlex HDMIでの表示 ]
C: 22-34
M: 40-48
Y: 82-96[ メーカー付属HDMIケーブルでの表示 ]
C: 22-37
M: 44-54
Y: 82-96
差が大きいのはどうやらマゼンタの部分っぽいですが、デジタル伝送でこういう違いが出るのもちょっと不思議なものです。
とても完璧とはいえない比較ですが、体感で受ける印象と上の写真の違いは結構近いものがありますから、最終出力にはやはり多少の差が生まれるのかもしれません。
これがさらに高級なディスプレイや長距離伝送、近隣に大量のケーブルが行き交うAVアンプなどになれば、さらに影響が大きいかも。
たしかにアナログ系ケーブルと比べるとコストパフォーマンス的に分かりやすい差は生まれづらいのかもしれませんが、QED(と代理店さん)は法外な価格設定ではないですし、信頼感と確実な接続のバランスが良い点でも普通にオススメできるHDMIケーブルだと思います。
あとはオンラインストア以外でももう少し買いやすく(Amazonでは購入可能)なってくれて、長めのケーブルもラインナップしてもらえれば言うことなしですね。
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