みんぽすさんからFUJIFILMのレンズ交換式カメラ「X-M1」と専用レンズ「XF27mmF2.8」をお借りしました。
次のメイン機は非ベイヤー配列のカメラにしようと決めているんですが、このモデルはX-Trans CMOSセンサーを搭載し、まさにそれに該当する機種です。
ベイヤーだからダメというわけではないのですけど、ベイヤー配列に必須のローパスフィルターは基本的に光学的なもので、必要以上に解像度を落としてしまう部分があるんですよね。
これにいち早く注目したのがシグマの三層構造のFOVEONなんですが、富士フイルムは全く違うアプローチで解決してきました。
ローパスフィルターが必要な理由の一つがモアレなんですけど、周期性の低い色配置でモアレを起きづらくした、というわけです。
もう一つ、次のメイン機としての命題として重要なポイントが軽量さでして、その点でもX-M1は立派過ぎるほどの合格点です。
バッテリーやメモリカードを入れても330gですし、さらに今回お借りしたXF27mmF2.8ならコンデジ感覚で持って歩けそうです。
その代わり、EVFはなくて液晶画面での撮影になりますけどね。
実際に持ち歩いて撮ってみましたが、基本的には液晶画面でも問題ない、というよりもむしろ撮影スタイルが広がるなぁというのが率直な感想でした。
ただ、晴天下でも液晶が見えづらいということはなかったですが、プレビュー時に露出がやや確認しづらい傾向は感じました。
不思議と再生モードでは気にならなかったので、もしかするとプレビュー表示に簡易的な部分があるのかもしれません。
また、使い勝手の点で最初に気になったのがストラップホールです。
いつもカメラを借りた場合はストラップは付属のを使わずに手持ちのを付けることが多いんですけど、Nikonのちょっと細めのストラップでも紐の幅が広すぎて装着できませんでした。
手持ちのカメラ群と比べてみたところ、X-M1付属のものはDMC-GF1のと同じ太さです。
一眼レフ用のは当然もっと太いですし、NEX-5は写真のNikonのストラップと同じ太さでした。
別に強度的には問題ないのですが、できれば太いのを装着可能なストラップホールのほうが大は小を兼ねるで嬉しいかも。
本体の質感については安っぽいという意見もありますが、私自身は十分に及第点という印象です。
ボディはたしかにプラスティックな感触ではありますが、その分軽いわけですし、どちらかと言えば使い倒してこそ、というクラスかと。
強度に関しては以前にお借りしたX-E1よりも凝縮されたボディだけにしっかりした印象を受けますし、チルトが便利な液晶も割れにくそうで良い作りです。
レンズのほうは一目見て「レンズ、小さいなぁ」と思いましたが、いわゆるパンケーキレンズとして使い勝手の良い大きさで、X-M1とはベストコンビでしょう。
私としては最短撮影距離が若干物足りない(マクロモードで34cm)印象もありますけど、それ以上にピントの中抜けが結構多いのが気になりました。
とりわけ近接撮影でその傾向が強く、ちょっとイライラしてMFで撮影した場面が結構ありました。
ただ、調べてみるとX-M1のファームウェアが1.01になっており、以下の修正が加えられています。
静止画撮影時のAF合焦精度が向上しました。
バルブ撮影時に「撮影画像表示」が「連続」のとき、バルブ撮影途中でも自動電源OFFしてしまう現象を改善しました。
レンズのほうもファームウエアがバージョン1.10になっていましたので両方ともアップデートしてみましたが、ボディのほうでちょっと改善されたかなぁという程度で、やはり中抜けは起きていますね。
レンズのほうはX-E2での位相差AF対応と点像復元対応らしいですし、X-M1は上位モデルとの差別化もあってか、像面位相差を持っていないのでその影響もあるのかもしれません。
ただ、こうした弱点もしっかり補ってくれるのがボディサイズから来る気軽さと、それをさらに活用させてくれるスマートフォン送信機能です。
iPhone 4に無料の純正アプリ「FUJIFILM Camera Application」を入れて使ってみましたが、普段はiPhone 4の内蔵カメラが残念な画質というせいもあって消極的なSNSへの画像投稿がとても楽しくなります。
初回こそ、設定からカメラ本体のWi-Fiに接続する必要がありますが、あとはアクセスポイントをiPhone側が記憶しますから、他のWi-Fiスポットに繋いでいない3G/LTE下なら自動接続で使い勝手も良好です。
Wi-Fiに繋いでる状態だとアクセスポイントの優先度をイジったり手動で切り替えないとダメな場合もありますけどね。
この辺りはまた別途、操作性も含めてレビューしてみたいと思います。
それに先駆けて次回は実写編をと思いますが、撮っていてかなり楽しいカメラです。
時期が良かったこともあるでしょうけれど、撮影枚数が私にしては多くなってるのがそれを端的に物語っていると思います。
昔からの重厚長大なカメラに対してのアンチテーゼみたいな存在感を感じたのは、私がオーディオで最近、OlasonicやLINNを好んでいるところにも通じるものを感じます。
というわけで次回はX-M1で撮った写真を中心にご紹介したいと思います。