みんぽすさんからお借りしている富士フイルムの高倍率ズーム機「X-S1」ですが、まずは気になる望遠側の試写をしてみました。
この機種はRAWでの撮影が可能ですので、RAW+JPEGの設定でテレ端の624mm相当で撮ってみましたが、上の写真はJPEG撮って出しです。
なお、JPEGは3:2に設定しましたが、RAWのほうは常に4:3で記録されるようで、Lightroomで現像すると下のような感じになりました。
等倍で見るとノイズも先鋭さもやはりAPS-Cクラスのカメラとはちょっと違いがあります。
また、これだけの望遠ですから手ぶれ補正だけでは限界があり、ISO感度もそれなりに上がってきます。
最初はISO800で撮っていましたが、歩留まりがやや悪いので、上の写真ですとISO1000になっています。
2/3型とネオ一眼にしては大きめの素子ではあるのですが、できれば画質的にはISO800に抑えたいところかな。
あと、EVFでの撮影時、テレ端では画面周辺部の収差が目立つ印象がありました。
実際に撮れた写真はその時の印象ほど収差が出ておらず、内部的に補正が入ってるのかも。
これだけの高倍率ズームですから、全てを光学的に解決するのは厳しいでしょうし、その辺りは仕方ないところかも。
ただ、MFで周囲のピント合わせをしようとすると、ちょっとやりづらいケースがあるかもしれません。
そして、さらにそのテレ端を活かす技術「超解像ズーム」も試してみました。
超解像ズームには1.4xと2.0xがありますが、ここは寄れること優先で2.0xをチョイスしました。
さらに倍の1248mm相当という未知の世界に突入します。
この望遠域では被写体を追いかけるのも大変ですが、写りは思った以上にシャープです。
この場合もEVFでは当初、デジタルズームっぽいガタガタした絵が見えますが、実際に撮れた写真は滑らかに超解像処理がされたものになります。
ただ唯一の欠点はRAWでの撮影ができないところです。
RAW+JPEGになっていると、そもそも超解像ズーム自体が選べない状態になります。
できればRAW+JPEGでも超解像ズームが使えて、JPEGは超解像ズームで、RAWは元画像でと使えたら便利かも。
そもそもEVF上は拡大表示せず、拡大前の周囲も見える状態で追えたら、被写体も捉えやすくなるかもしれません。
とはいえ、これだけの望遠域というのを手持ちで楽しめる機器はそうそうあるものではありません。
デジタル一眼レフだったら、それこそ巨大&高額なレンズを持ちださなくてはいけませんしね。
これ一台のみで色んな被写体を撮ってみたい方には、結構良い選択肢になるのではないでしょうか。