みんぽすさんからOlasonicのTW-D7WM(T)をお借りするにあたって、オマケと言っては失礼ですが、ソニーのウォークマン「NW-S754」もいっしょにお借りしました。
こちらもレビューしてみようかと。
iPodと比較されがちなウォークマンですが、個人的にはどちらもそれぞれの特徴があって好みで選べば良いのかなぁと思います。
そういってしまうと元も子もないわけですが、使い勝手と飾り気のない音のiPod、日本流付加価値とお化粧上手のウォークマンというのが私の主観的感想ですね。
とはいえ、以前は曲の転送もちょっと出来がイマイチな専用ソフトで変換作業が必要だったんですが、今はMacからファイルをコピーするだけでもOKになっていて、両者の相違はずいぶん少なくなってきた気もします。
それでもMac用のソフトウェアは相変わらず用意されておらず、出来云々以前の段階です。
その点ではもうちょっと頑張ってほしい気もしますけどねぇ。
iPodにすっかり慣れてしまったのもあって最初は操作に戸惑う部分もありましたが、慣れてしまえば特に問題なく使いやすいです。
ただ、付属のノイズキャンセリングイヤホンにはリモコン機能が一切ないのはちょっと残念かな。
曲のスキップやボリューム調整くらいはできたら良いかも。
そして音質面ですが、iPodとの性格の比較としても書いたように「お化粧上手」というのが私の感想です。
端正でしっかり聴かせる音なんですが、どうもエフェクト感があるという感じで…。
これはウォークマンに限らず、日本のオーディオ機器全般に受ける印象でもあるんですけどね。
ただ、どんな音楽ジャンルでも破綻なくうまく聴かせるというのは、これまでの音響技術の蓄積があってこそ成し得たもので、そこは高く評価すべきだと思います。
もう一つの音質的な付加価値として、ノイズキャンセリング機能もiPodにはない特徴です。
先日、PHIATONのノイズキャンセリングイヤホンをお借りしましたが、これと比べると効き具合や音の傾向にだいぶ違いがありました。
PHIATONのほうは音自体はあまりいじらず、単純にノイズを削るものでした。
ノイズが非常に多い環境では多少ゲインを稼いだりはしているようでしたが、イコライジングの変更はほぼないようで、低域を中心に素直にノイズキャンセルしてありました。
一方、ソニーのほうは設定された場所に合わせてイコライジングも変更しているようです。
モード変更で、「電車・バス」、「飛行機」、そして「室内」が選べますが、それぞれのノイズ特性を考慮してノイズとかぶりやすい帯域をブーストしていると思われます。
その分、ノイズ自体のキャンセルは心なしか弱めにすることで不自然なエコー感などを軽減しているのではないかと思います。
個人的にはPHIATONの効かせ方のほうが好みではありますが、ノイズのひどい環境ではソニーのほうが音楽を楽しんでる気分を味わえるかもしれません。
こういったシチュエーションに応じた「お化粧」が入るようですので、常時オンにするのではなく、ノイズキャンセルのオン・オフ、場所の設定をしっかり使い分けたほうが良いかと思います。
実際、室内での試聴ではノイズキャンセルをオフにすることで大幅に音質が改善したように感じました。
こうした設定が面倒な場合はノイズキャンセルをオンにしておくものの、場所設定を「室内」にしておくと良いのではないでしょうか。
また、NW-S754には帯域ごとにカスタマイズできるイコライジング機能が装備されています。
iPodのイコライザは音質劣化のほうが目立って有効に働いてくれない時が多いのですが、その点では十分すぎるくらい実用性の高いイコライザです。
付属のイヤホンでのオススメ設定はこんな感じです。
ノイズキャンセリング Off
CLEAR BASS 0
400Hz 0
1kHz +2
2.5kHz +1
6.3kHz 0
16kHz -1
なお、Olasonicの場合は上の設定で400Hzを+1にすると良い感じでした。
もちろんこれは私の主観に基づくものなので、好みの音にご自身でチューニングされるのがいちばんでしょう。
自分で設定したイコライジングはカスタム1、カスタム2の2つに記憶させることが可能です。
私の場合、どちらかというとiPod贔屓な部分がありますが、久しぶりのウォークマンは往年の銘機たちを思い出すような日本製品らしい完成度を感じました。
iPodの独り勝ちでは面白くないですし、今後も切磋琢磨して互いに魅力ある製品を創出していってほしいと思います。
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