少し前にキャンペーンで当選したLogitecのWi-Fi搭載HDD「LHR-DS05WU3R」ですが、前回のUSB接続に続き、今回はWi-Fi接続での使用感をレポートしてみようかと。
USBモードとWi-Fiモードの切り替えは電源スイッチがこれを兼ねていて、下の写真でいうと一番右までグイッとスイッチを入れるとWi-Fiモード、真ん中がUSBモード、そして左側が電源オフになります。
電源オフの状態からWi-Fiモードにするにはどうしても一旦USBモードを経る必要があるのが心理的にはちょっとイヤな気もします。
そもそも両モードは両立できず、特に説明書にはWi-Fiで使う場合にUSBケーブルを外しておくべきかどうかの記載はありませんけど、マウント・アンマウントが起こってしまうケースも考えられるので、できれば外しておくべきでしょう。
前回までにUSB接続で500GBほどの画像ファイルをコピーしておきましたから、まずはMacで繋いでみることに。
なお、クライアントからのアクセス方法には以下の2通りありますが、WindowsやMacからは前者のみの対応とされています。
(1) クライアント –> LHR-DS05WU3R –> ルーター
(2) クライアント –> ルーター <-- LHR-DS05WU3R
(1)の場合、スマホやタブレット、パソコンはLHR-DS05WU3Rが発するほうのアクセスポイントにつなぐ必要があり、ここから間接的にルータを介してインターネットアクセスする形になります。
LHR-DS05WU3Rは192.168.99.1というIPアドレスが振られていて変更することができない仕様ですので、ここからDHCPで振られるクライアントのIPアドレスは192.168.99.xになります。
逆に(2)のケースだとLHR-DS05WU3Rもクライアントと同じルータ管理下の機器の一つですから考え方としてはシンプルですね。
ただ、この場合のLHR-DS05WU3RはDHCPでIPアドレスが振られることになり、固定IPにできないのが難点です。
さきほど、パソコンからはこのモードが使えないと書きましたが、実際にはDHCPで振られたアドレスさえ判ればアクセス可能でした。
普通にSambaの共有名でアクセスできるか、せめて固定IPが振れれば良いのですけど…。
ルーターによっては機材ごとにIPを割り当てられるものもあるはずですので、これを使うことも場合によっては可能かと思いますが、そもそもメーカーとしては(2)のモードは使えないとしていますからねぇ。
で、実際にMacからファイルコピーを試してみますが、これが思っていた以上に遅いです。
最初、合計3.4GBほどのフォルダでコピーテストしようとしましたが、2時間かかるというので中止。
少し減らして370MBほどのファルダで6分ほど掛かりましたので、計算上は8Mbpsということになります。
あえてMacでもさきほどのメーカー非推奨である(2)のモードを使ったため、ルータの802.11gの制限を受けたとはいえ、Macからルータまで有線接続でこの速度とは想定外でした。
LHR-DS05WU3Rに有線接続があればだいぶ事情も違ってくるんですが、ここはNASとの差別化のために付けなかったのかなぁ。
ここでもうパソコンでのWi-Fiモードの使用は諦め、iPhoneで閲覧のみを試してみることにしましたが、こちらも速度がかなりのネックに。
iTunes Storeから純正アプリ「Wi-Cool」 をダウンロードし、LHR-DS05WU3Rを認識するまでは順調だったんです。
その後、事前にコピーしておいたデジカメ画像のフォルダにアクセスし、ファイル一覧表示しようとすると延々と待ち状態に…。
どうもフォルダ内のファイル数が多いと待ち時間が長くなるようで、1700ファイルほどあるフォルダだと数分待ちでした。
もっと少ない200ファイル程度でも20秒くらい待つ感じで決して短くはないですね。
画像を開く場合も、上のX-M1の等倍画像のように大きめの画像と、待っても待っても表示されずイライラします。
ここからフォルダ内の画像をスライドショーできるんですが、そこは意外と速く、ほどほどのサクサク感で見られるので、最初に何らかのキャッシュ読み込みでもしているのでしょうか。
ただ、一度開いたフォルダから上層に上がり、また戻ってくるとやっぱり前回同様待たされるので、LHR-DS05WU3R内部でのキャッシュではなく、Wi-Cool側でのメモリキャッシュなのでしょう。
それならばと今度は音楽サーバーとしての使い方を試してみることに。
さきほどのようにフォルダを選んで閲覧する方法もありますが、上の画面からドライブ内全体をファイル種別ごとに横断的に一覧表示することも可能です。
実際には2TBの大容量の中から名前を頼りに探すのはちょっと無理がありそうですけど。
そしてこれまた事前に入れておいたロスレスファイルたちを探してみますが、表示されたのはごく一部だけ。
なんでだろう?と思ったら、なんとFLACには対応していないんですね。
AACはOKだったので再生してみると、今度は動画表示のような質素な画面が。
アートワークを表示しないのは仕方ないにしても、さすがにこれではミュージックプレーヤーとしては使う気になれません。
全体的にシビアなレビューになりましたが、これがカードリーダーくらいの容量を対象としたものならまた評価も違ったかもしれません。
2TBの容量に収められた大量のデータを取り扱うにしてはやはりUIがだいぶ貧弱かと。
それに今回はあまり掘り下げませんでしたが、デフォルトのパスワードは説明書にバッチリ記載の1種類のみなど、セキュリティ面でもWi-Fiアクセスポイントが丸見えになるのはイマイチな気もします。
有線接続があるなり、USB接続と併用できて、その上でWi-Fiモードは一部制限下のフォルダでやり取り…だったら利便性のほうが優るのでしょうけれど。
ただ、NASでも大抵はUSB接続はできないわけで、そうした点では面白い試みだとは思います。
ケース側のファームウェアやスマートフォンアプリの成長で進化できる余地も多分にあるでしょうし、普通に外付けHDDとしてみても信頼性や価格面でのメリットも大きいですから、Wi-Fiモードをオマケ的に考えられる方にはオススメできる内容かと思います。
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