最近はデジカメもEOS 5Dのように、かなり低価格で35mmフルサイズCCDを
搭載した機種が出てきて、銀塩を追い越したのではないか、というようなことも、
良く言われるようになりました。
確かにデジカメの画像はシャープで、解像度の面では一見、銀塩を凌駕した
印象もありますね。
ただ、アナログ的なものとはいえ、低感度の35㎜リバーサルフィルムだと、
2000万画素程度の解像度があるそうで、まだまだ同等程度といったところ
でしょうか。
ちなみに人間の眼は視力1.0の人で、30cm離れた印刷物を約300dpiで
分解できるとのこと。
http://www.pit-japan.com/ws30/a_d.html
800万画素クラスだと、長いほうが3500pixelくらいですから、約30cm
程度までなら、大きくしても人間にはアラが分からないってことになりそうです。
ということは、ちょうどA4サイズ程度ですね。
まぁ大きくプリントすればするほど、離れてみることになるでしょうし、
Photoshopなどで補間処理をして拡大しておけば、もう少し大きくても
大丈夫なのかもしれません。
ただ、Photoshopはバイキュービック法ですから、それほど高度な補間は
期待できません。
より高度なものなら、waveletやLanczos3などのアルゴリズムを使った
拡大ツールを使ったほうが良いでしょう。
代表的なものだと、Windowsでは「藤 -Resizer-」あたりでしょうか。
そして、まだまだデジタルカメラが銀塩に決定的に負けているのが
ラチチュード(ダイナミックレンジ)です。
デジカメはまだまだ白飛びや黒つぶれしやすいですからね。
コニカミノルタによれば、人間の眼を10 とすると、銀塩で5、CCDは
2程度しかないんだそうです。
http://konicaminolta.jp/entertainment/dihow/came/came_n13.html
また、一般に使用されている画像形式がJPEGだというのも、それをさらに
悪条件にしてます。
JPEGはRGB各8bit=256階調までしか表現できないわけで、
CCD自体は12bit近くの階調を表現できる能力があるんですけどねぇ。
RAWを使ってうまく現像するか、適正露出を心がければ、なんとかなる
レベルではあるとは思いますが。
Photoshopに装備されてる「32bit HDR」のような処理をデジカメ側で
やれるようになったりすれば、もっとダイナミックレンジを拡張できる可能性は
あります。
いずれにせよ、デジカメは進化途中なわけで、もうすぐ銀塩を捉える
「すぐそこ」まで来てるのは確かですね。
お互いの良さを活かして、使い分けていけると良いなぁと思います。