デジカメ(というよりもレンズ)で、「色収差」というものがあります。
プリズムで太陽光を虹色に分光する実験は、おそらく小学校くらいの時に
皆さん、体験されたことがあるかと。
このように、色の波長によって屈折率や分散率が違うために起こるのが
この「色収差」です。
色収差には大きく分けて2種類ありまして、波長で焦点位置が異なって
しまう「軸上色収差」と、画面の周辺にいくほど、波長の違いで像にズレが
出てしまう「倍率色収差」があります。
以前も掲載しましたが、実例を
示すと、左の写真の左側が
まさに「倍率色収差」の例になります。
白い花のふち部分に水色の
ズレが出てるのがお分かりいただけるかと。
こうした「色収差」が出ないように、凸・凹レンズを組み合わせたり、市販のレンズでは
低分散レンズやコーティング処理を施して、極力減らす努力をしています。
ただ、クローズアップレンズを使ったり、最初から色収差が結構多いレンズに
当たってしまった場合、少しでも少なくするように努力するしかありません。
「軸上色収差」の場合は、絞り込むとかなり目立たなくなるので、私が使ってる
タムロンの望遠ズームではF6以上くらいで絞り優先で撮るようにして回避してます。
「倍率色収差」の場合は、残念ながら絞りなどでは改善されません。
Photoshop CS2やNikon Captureなどには色収差のソフトウェア補正が装備
されてますので、それを使って回避してます。
ただ、最近はレンズもデジタル対応が進んでいて、とりわけ「倍率色収差」が
目立って残ってるものは、あまり見かけません。
クローズアップレンズを使うと、バリバリ出ちゃいますけどね。(^^;
ただ、ずっと気になってるのはSONUの「DSC-R1」という機種。
以前、β機の広角側の実写画像で「倍率色収差」が相当多かったので気に
なってたんですが、どうも最新の実写画像でもまだまだかなりの色収差が…。
せっかくCCDにAPS-Cサイズの高画素のものを積んだんだから、レンズのほうも
もう少し頑張ったほうが良いんじゃないのかなぁ。(^^;
価格を抑えるために、レンズ部分をケチったんでしょうか?(爆)
「DSC-R1」に興味をお持ちの方は、広角側の色収差については、事前に実写
画像などでチェックされておいたほうがよろしいかと。
なお、色収差など、カメラの仕組みについて、もっと詳しく知りたい方は、
下の本あたりが参考になるかと思います。
体系的に学び直すデジタルカメラのしくみ 神崎 洋治 西井 美鷹 日経BPソフトプレス 2004-05 by G-Tools |
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