体験版もあることだし、試してみようと思っていたApple純正の
RAW現像ソフト「Aperture」ですが、これだけ趣味で写真をやってる
ことですし、思いきって購入しちゃいました。
Apple Aperture 1.5 (日本語版) [MA715J/A]
インストールして起動すると、でっかい画面が広がります。
iTunesなどの一般向けアプリと違って、やはりプロ向けなのだなと
感じました。
で、とりあえず手持ちのRAWデータをMacに入れて使ってみますが、
どうもソフトの「作法」が最初は馴染めません。
「プロジェクト」とか「ライトテーブル」、「バージョン」など、何を差すのか
最初は理解しづらかったですね。
極端な話、RAWを編集してJPEGに書き出すのでさえ、最初は分かりません
でしたからねぇ。
普通なら、「ファイル」メニューから「保存」とかやるのかなぁと思いますが、
Appleのサイトを見ても
Apertureのファイルメニューを開いても、保存コマンドはありません。
Saveがないのは、必要ないからです。
なんて風に書いてあります。(^^;
まぁ、説明書とかヘルプを見れば良いんですけどね。
ちなみに、実際には「書き出し」の中から「バージョンの書き出し」を
選べば、JPEGに保存することができます。
ただ、迷うのはソフトの「流儀」に慣れるまでの短い時間だけの話で、
慣れてくると、便利さのほうが際だってきます。
ホワイトバランスを取る場合も、ホワイトポイントピッカーを使う時も
ルーペとRGB数値がカーソルに付随して表示されて、とても使いやすいです。
また、レベルをルミナンスで4分割編集することで、写真のトーンを
コントロールすることがとてもやりやすく、慣れるとトーンカーブよりも
こっちのほうが便利に感じてきます。
で、実際にNikon D70のRAW画像を現像したものを貼ってみます。
左半分がPhotoshop CS2で現像したもの、右がApertureで現像したものです。
もちろん、Photoshopでも右の画像まで追い込むことは可能だとは
思います。
ただ、Apertureのほうが手早く、しかも、いくつかの試案(これをバージョンと
呼びます)を比較表示したりできるので、追い込みやすいです。
大量のRAWを現像するのに向いているとはいえない面もありますが、
「本気」の写真こそ、Apertureの出番だな、という気がしました。
さらに、RAWだけでなく、JPEGもRAWと全く同レベルで編集ができます。
SILKYPIXのRAW Bridgeのような機能が装備されてるんです。
これがあれば、ホワイトバランスが崩れてしまったコンパクトデジカメの
写真とか、銀塩フィルムのスキャンに納得がいかない場合の補正などに
とても重宝しそうです。
で、実際に銀塩コンパクト「BiG mini」の写真を補正してみた結果を
貼ってみましょう。
左がスキャンしたままの画像、右がApertureで補正した画像です。
こんな具合に色相とかトーンなどを微妙に調整できますし、書き出し時に
まとめて最終的な処理が実行されるので、レタッチソフトのような
画質劣化も最小限に抑えられます。
世間の評判では、もっと重くて完成度の低いソフトかと思っていましたが、
全くそんなことはなく、ちょっとくせはあるけど、慣れれば快適な良作
だと感じました。