先日、みんぽすさんにお借りしたソニーのPCMレコーダー「PCM-M10」
ですが、今回はMacでの使用を中心にレビューしたいと思います。
PCM-M10自体は単体で録音できますし、microSDにも対応してますので
Macでも、もちろん普通に使えます。
USBケーブルでMacに接続すると、デジカメみたいにドライブとして
認識され、ファイルのコピーも著作権保護などはなく、普通にコピー可能です。
ただ、付属の編集ソフト「Sound Forge Audio Studio LE」は残念ながら
Windowsのみです。
この機種の特徴でもある24bit/96kHzの音声を編集するとなると、
それなりの音声編集ソフトが必要ですからねぇ。
そこでMacで使えるソフトを調べてみると「Audacity」が最適のようです。
ファイル形式はMP3もしくはWAVですが、WAVは標準のままで読み書き
できます。
MP3はlameをインストールする必要がありました。
設定画面からダウンロードしてインストールするだけですので、
それほど難しいことはなく、MP3が扱えるようになるはずです。
フェードインや音量の正規化など、基本的な機能はしっかり揃っていますし、
動作も軽快なフリーソフトで、PCM-M10での録音・編集には必須かと。
それだけでは面白くありませんから、Macとは直接関係ありませんが
高音質プレーヤーとしての検証もしてみましょう。
PCM-M10は録音機能もさることながら、MP3の再生もできます。
また、ライン入力もありますから、SACDやCDプレーヤーをつないで、
24bit/96kHzで取り込むということも可能なんです。
そこで、CDプレーヤー「CDP-557ESD」と接続して録音してみます。
録音レベルは手動、リミッターはオフにしました。
ローパスフィルタはオンとオフを試しましたが、結果からいうと
ライン入力ではオフが望ましいようです。
ローパスフィルタを入れると、200Hzくらいから効くようで、
サブソニックフィルタのようなイメージではないんですね。
ローパスフィルタを切った状態だと、こんな感じで、しっかり低域から
高域まで良い特性が見て取れます。
ちなみにこのスペアナも前述のAudacityを用いて算出してあります。
実際に試聴してみると、CDからの録音がなかなか健闘しているのが
はっきりと感じ取れました。
レベル調整が多少面倒ではありますが、MP3とは明らかに違う次元の
サウンドがしっかり記録されています。
パーカッションのかすかな高音や演奏時の空気感などがしっかり聞き取れます。
余計なA/D変換が入る影響下、多少、音のハリが弱かったり、
アタック音に付随するかすかなポップノイズっぽさはあるものの、
上質のレコードを聴いている感覚ともいえそうな、アナログ的な味わいが
楽しめました。
これがSACDなら、さらに良い結果が得られるのではないかと。
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ちなみにパソコン側でエンコードしたMP3も試聴しましたが、
こちらは非可逆圧縮らしい音の欠けや多少の歪みはありますが、
音自体の抜けはなかなかのもので、iPhoneあたりとは比較にならない
音質でした。
iPod Classicとくらべると、セパレーションやピアノのタッチの繊細さなどで
一歩劣る部分も感じますが、それも一長一短あるなぁという程度で
十分勝負になるクォリティーだと思います。
ただ、断然オススメなのはやはり性能をフルに生かす24bit/96kHzでの
収録ですね。
MP3で7.5MBの楽曲でも180MBが必要になりますが、microSDにも
対応していますから、カードをアルバム感覚で交換して持ち歩くのも
良いかもしれません。
私が初めてゲットした録音機材は「レコーディング・ウォークマン」を
名乗っていた「WM-R2」という機種でした。
1982年当時で37000円だったわけですから、それよりずっと安いお値段で
これだけの録音機材が手に入るとは良い時代だなぁと感じました。
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