RENAULTという表記のある自動巻腕時計「25JEWELS AUTOMATIC」を見つけました。
最初はリダンでもされているのだろうと思って、早速中のムーブメントを見てみることに。
するとムーブメント(というよりもローター)にもしっかりRENAULTの文字が入っています。
ただ、どれだけ調べてもルノーが時計を自前で製造していたという情報はないわけで、おそらく何かのノベルティか、ユーザーグッズみたいな感じで作ったのでしょう。
エボーシュマークを探してみたところ、4002という番号と雲にFのマークが見つかりました。
これを基に調べてみると、フェルサというところのムーブメントみたいですね。
フェルサは1942年に世界初の両方向巻き上げ式全回転ローターの自動巻ムーブメントを作った名門らしく、当時はかなり有名なブランドに搭載されたようです。
ただ、1969年にはETAに吸収されていますから、この時計はそれよりも前ということになります。
チラネジテンプだったりする部分にちょっと歴史を感じますね。
1960年前後ですから、当時のルノーの車はおそらく200万円くらい、時計は数万円からだったでしょうし、ノベルティにしてはちょっと高価だったかも。
他の銘柄でFELSA 4002が使われているのを見る限りではローターだけ交換された感じではないようです。
精度のほうは年代にしてはなかなか良くて、そこはやっぱりスイス製だなと。
緩急針は多少調整しましたが、やはり姿勢差はあって平置きだと進み、腕に巻くと遅れる傾向ですが、トータルでは±10秒前後に収まっています。
どうも性格的には自動巻きは精度が気になって色々と弄ってしまいがちだし、気になりだすと止まらないですから、基本的にはこのくらい集めたら十分かなと。
そう言いながらまた自然に集まっている可能性は全く否定できないんですけどね。